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2018.03.30

ヴァン・マドラスのすべて(スポーツコミュニケーション 1973年)

  • スポーツコミュニケーションをテーマに掲げた1973年に打ち出されたINDIA MADRAS 73キャンペーン。カタログの中には、「VANのマドラスチェックは色鮮やか。明るい太陽の下、クリアーなイメージでいっぱいです。」、「春夏もののアイテムの方がヤングマンには本当のトラッドらしさが多様に出せる季節」と記載されており、シャツに始まりカーディガン、パーカーまでラインナップは多岐にわたり、マドラスチェックや無地のものまで様々。VAN社員がマドラス坊やと呼ばれるキャンペーンマスコットとなり、「パンツまでマドラス。だから見せちゃうのです。」というキャッチコピーと共に、ズボンを膝下まで下げ、アンダーウェアまで見せる程、マドラス一色のキャンペーンでした。VANは変わらずマドラスはインドで生産を続けています。

  • なぜマドラスチェックは人気になったの?
    17世紀、インドは世界一の綿織物技術を誇っていました。扱いづらい超極細綿を手で紡ぎ、手工芸的綿織物としてインドの職人たちが生み出していました。インドの南東に位置するマドラス地方はイギリス植民地支配の拠点となっていたことから、インドの繊細な綿織物はヨーロッパに輸出され上流階級の間で人気を誇っていました。時代は変わり、肩肘張らないリラックスムード漂うマドラスチェックは、バミューダショーツやボタンダウンシャツなどに用いられ、TAKE IVYにも写真が残っているようにアイビーリーガー達に愛され、それを見たVANは次々とマドラス生地を用いたアイテムを提案していきました。

  • 今も変わらずインドの職人たちの繊細な手作業によって商品が生まれています。マドラスチェックのパッチワークともなると気が遠くなるような時間をかけて縫い合わせていく。一番右下の二人は工場を運営しているラジャット氏とその息子さん。この工場は品質管理や製品の仕上がりなどの信頼も高く20年近くVANのインド製品を任せている。少し話は変わるがブレザーなどに付けるモールエンブレムもこのラジェット氏に集う職人たちが作っている。手作業の温もりを感じながら長く愛用していただきたい。

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